くるみ製本で“本みたいなポートフォリオ”を作ろう

くるみ製本で“本みたいなポートフォリオ”を作ろう
ポートフォリオを「一冊の本」にすると、作品そのものだけでなく、見せ方へのこだわりも伝わります。バラのプリントやPDFだけでは出せない“きちんと感”や、手に取ったときの特別さが生まれます。
このコラムでは、くるみ製本でポートフォリオを作るときに知っておきたいポイントを、イラストを交えながらやさしく紹介します。
「印刷は初めて」「データ作りが不安」という方でも、順番に読めば一歩ずつ準備を進められる内容になっています。
目次
- 図で見る「くるみ製本」と「中綴じ」の違い
- サイズ選び:A4?B5?ポートフォリオを手に持ったときの“しっくり感”
- レイアウトのコツ:余白は“もったいない”ではなく“見やすさ”
- くるみ製本ならではの注意点:背表紙・ノド・断ち落とし
- 画像の準備:印刷で“粗く見えない”ためのひと工夫
- ポートフォリオの製本、入稿前に見直したい“8つのミニチェック”
- 「全部ひとりで完璧に」ではなく、「不安なところだけ相談」でOK
- まずはラフを描きながら、一冊目のポートフォリオを作ってみよう
図で見る「くるみ製本」と「中綴じ」の違い
まずは、製本の違いをざっくりイメージしてみましょう。
くるみ製本とは、本の背の部分に糊をつけて、表紙で本文を“くるむ”製本方法です。書籍や雑誌、作品集などにも使われる、ポートフォリオ向きの本格的な仕上がりになります。
一方、中綴じ製本は、冊子の真ん中を針金で留める方法です。パンフレットや学校の配布物、ZINEなどでもよく使われ、ページ数が少ない冊子や、コストを抑えたいときに向いています。
ざっくりした目安としては、
- ♦︎ ページ数が多くて、本のように見せたい
→ 無線とじ(くるみ製本) - ♦︎ ページ数が少なめで、ライトに配りたい
→ 中綴じ製本
と考えておくと、後の判断がスムーズになります。
サイズ選び:A4? B5? ポートフォリオを手に持ったときの“しっくり感”
サイズは、作品の見え方と持ち運びやすさに大きく影響します。
A4サイズは、就活や企業訪問でよく使われる一般的なサイズです。
写真やデザインを大きく見せたい方、建築図面やWebデザインのキャプチャを載せたい方に向いています。
B5やA5サイズは、少しコンパクトで、本棚に収まりやすく、カバンにも入れやすいのが特長です。
持ち歩き重視、展示会やイベントでの配布など、気軽に手に取ってもらいたい場合に相性が良いサイズです。
実際には、ふだん使っているノートやコピー用紙と照らし合わせながら、「自分の作品をどのくらいの大きさで見せたいか」をイメージしてみてください。
レイアウトのコツ:余白は“もったいない”ではなく“見やすさ”
作品をたくさん載せたいあまり、ページの中が要素でぎゅうぎゅう詰めになることがあります。画面上ではよく見えても、印刷すると情報量が増えすぎて、見る側が疲れてしまうことも少なくありません。
レイアウトのポイントは、次のようなイメージです。
- ・ 余白もデザインの一部として、作品の周りに“息抜きスペース”をつくる
- ・ タイトル、本文、キャプションの文字サイズと行間をそろえて、読みやすく整える
- ・ 情報の優先度をつけて、「何を一番見てほしいか」がひと目でわかるようにする
くるみ製本ならではの注意点:背表紙・ノド・断ち落とし
くるみ製本には「本っぽさ」が出る分、注意したいポイントもいくつかあります。くるみ製本特有の3つのポイントを押さえておきましょう。
① 表1〜表4ってなに?“表紙まわり”をイラストで理解する
くるみ製本でポートフォリオを作るとき、実は「表紙だけ」で4つの面があります。印刷の世界では、これを表1・表2・表3・表4と呼び、表紙データを作るときの大事な考え方になります。
本を開いた状態のイラストに、次のようなラベルを付けると分かりやすくなります。
- 📙 表1:一番手前の「表紙」(タイトルや名前が入る面)
- 📙 表2:表1を開いた内側(表紙の裏側)
- 📙 表3:裏表紙の内側(裏表紙の裏側)
- 📙 表4:一番後ろの「裏表紙」(バーコードやロゴなどが入ることが多い面)
くるみ製本の場合は、この表1〜表4に加えて「背表紙」も大事な要素になります。特にポートフォリオでは、表1と背表紙、表4のデザインが第一印象を大きく左右するので、あとでまとめて考えられるようにしておきましょう。
② 背幅ってなに?ポートフォリオの“厚み”を決める部分
もうひとつ覚えておきたいのが「背幅」という言葉です。背幅とは、本や冊子の「背表紙部分の厚み」のことで、ページ数や紙の厚さによって変わります。
背幅は見た目だけでなく、次のようなところに関わっています。
- 📘 本の印象(薄い/しっかり厚い)
- 📘 開きやすさ・めくりやすさ
- 📘 背表紙に入れるタイトルの読みやすさ
くるみ製本では、ある程度の背幅がないと、きれいな背表紙を作りにくくなります。横浜の特急印刷サービス「スルカ」では本文20ページ以上から無線綴じ(くるみ製本)に対応しており、20ページ未満のページ数の場合は中綴じをご案内しています。
背幅は「ページ数 × 用紙の厚み」といった考え方でおおよその値を出せますが、実際には製本方法や紙の種類によっても変わります。
ポートフォリオの仕様を決めるときは、ページ数と紙をざっくり決めたうえで、「この内容なら背幅はどれくらいになりそうか?」を印刷会社に相談するのがおすすめです。「背幅(つか)自動計算ツール」もございますので、ご利用ください。
③ 背表紙の文字・ノド・断ち落としのポイント
背表紙にタイトルや名前を入れる場合は、文字サイズを小さくしすぎず、上下左右にしっかり余白を取ることが大切です。あまりギリギリに配置すると、製本のわずかなズレで文字が切れたり、読みづらくなってしまうことがあります。
見開きページにまたがって作品を配置する場合は、中央の折れ目寄り(ノド側)に大事な要素を置きすぎないようにします。ノドとは、本や冊子を開いたときの中央の綴じ目そのもの、またはその綴じ側にある内側余白のことを指します。人物の顔やロゴ、重要なテキストは、ノドから少し離した位置に置くと、食い込みや読みにくさを防げます。
ページの端まで色や写真を伸ばしたいときは、「塗り足し(断ち落とし)」をつけます。仕上がりサイズよりも上下左右に数ミリ分大きめにデザインを広げておくことで、断裁の誤差で白フチが出るのを防げます。
画像の準備:印刷で“粗く見えない”ためのひと工夫
画面ではキレイに見えても、印刷すると「ちょっとぼやっとしている」と感じる場合があります。これは、画像の解像度が足りなかったり、無理に拡大しすぎていることが原因です。
印刷に使う写真の解像度の目安としては、仕上がりサイズで300〜350dpi程度あると安心です。デザインソフトや画像ソフトで、仕上がりサイズに設定した状態で実寸表示(100%)にして確認してみてください。
ポートフォリオの製本、入稿前に見直したい“8つのミニチェック”
最後に、印刷前にチェックしておきたいポイントを整理しておきましょう。
<ポートフォリオの製本、印刷会社に依頼する前のチェックリスト📝>
- ✅ データサイズは正しく設定されているか
- ✅ トンボ・塗り足しはついているか
- ✅ ページ順・ページ数に抜けや重複はないか
- ✅ 綴じ方向(右開き/左開き)は合っているか
- ✅ 画像が粗く見えないか(実寸表示で確認したか)
- ✅ フォントはアウトライン化/埋め込みできているか
- ✅ 背表紙の文字や重要な要素が端に寄りすぎていないか
- ✅ 作成したPDFを別の端末でも開いて、表示崩れがないか
全部ひとりで完璧に」ではなく、「不安なところだけ相談」でOK
ここまで読んで、「気をつけることが多そう…」と感じたかもしれませんが、すべてを一人で完璧に仕上げる必要はありません。用途やサイズ、ページ数、不安に感じているポイントを印刷会社に伝えるだけでも、かなり具体的なアドバイスが返ってきます。
プロの目視チェックが付いているネット製本サービスなら、「このページの文字はもう少し大きい方がいいか」「この写真は解像度が少しギリギリかもしれない」といった点も、事前に相談しながら進めることができます。
まずはラフを描きながら、一冊目のポートフォリオを作ってみよう
くるみ製本で作るポートフォリオは、完成したときに「本当に作ってよかった」と感じやすい一冊です。作品がまとまるだけでなく、自分の歩みや得意分野を振り返る機会にもなります。
このコラムの内容を見ながら、ざっくりしたページ構成のラフを描いてみたり、サイズと作品の候補をメモしてみたりするところから始めてみてください。ラフやメモの写真を添えて印刷会社に相談すると、イメージが伝わりやすくなります。
TEL:045-352-8955(受付:月〜金、8〜18時)
横浜の超特急製本部【SURUKA(スルカ)】は、創業50年以上の印刷会社が手がける、印刷から製本までワンストップでご提供する特急印刷サービスです。
印刷が初めてのお客様にも、経験豊富な専任スタッフが一つ一つ丁寧に対応し、お客様の要求にしっかりとお応えします。お急ぎの場合は、ぜひ電話でご相談ください。




